ヨーロッパで最も新しい国、コソボ。とっても小さな国ですが、実は世界レベルのアスリートをたくさん輩出しています!
今回は、コソボが世界に誇る柔道選手の中から、日本でも有名なマイリンダ・ケルメンディ選手について紹介します。
マイリンダ・ケルメンディ(Majlinda Kelmendi) 生年月日:1991年5月9日 出身地:ペーヤ 階級:52kg級 組み手:左組み 得意技:左内股、左釣込腰、左釣腰 |
コソボ代表として初めて出場した五輪で金メダルを獲得!
8歳で柔道を始めたマイリンダ。姉に連れられて通い始めた道場「IPPON」でトレーニングに励み、めきめきと頭角を現します。
しかし、コソボは2008年に独立してからも、しばらくは国際大会に出場することが認められていませんでした。そのため、マイリンダは市民権を持つアルバニアの代表として国際大会に出場しており、2012年のロンドンオリンピックではアルバニア代表として出場するも9位に終わっています。
その後も着実に力をつけていったマイリンダは、ついにコソボ代表としての出場が認められた国際大会で、次々に輝かしい成績を収めます。
2013年と2014年の世界柔道選手権では金メダルを獲得。そして2016年には、コソボにとって独立後初めての五輪参加となるリオデジャネイロオリンピックに出場し、堂々の金メダルを獲得したのです!
コソボにとっては、初出場で初金メダルとなり、世界的にも大ニュースになりましたね。日本でも大きく取り上げられたので、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。私も感動して泣いてしまいました…。
そんなマイリンダですが、金メダルを獲得した際にこんな言葉を残しています。
たとえ紛争を経験しても、願いはかなえられる。たとえ多くの問題を抱え、小さくて貧しい国にいるとしても、五輪のチャンピオンになるような大きなことができる。そう子供たちに伝えたい
引用:『毎日新聞』2016年8月9日朝刊「紛争の国に歴史的金」
マイリンダのことを、コソボの人たちはどんなに誇りに思っていることでしょう!ほんとにかっこいいぞ、マイリンダ!!
怪我やプレッシャーに苦しむも、柔道愛で乗り越える
そんなマイリンダですが、オリンピックの後は怪我に悩まされ、長期の療養を余儀なくされた時期がありました。大好きな柔道ができなくなって、とても辛い日々だったようです。
コソボのテレビ局のインタビューには「療養中は、大好きなショッピングも旅行も、何をしても楽しめなかった」と語っています。
インタビューでは、「銀メダルや銅メダルをとっても誰も祝福してくれない。みんなから英雄視されることは少しプレッシャーに感じる」とも語っていました。英雄だったころの自分に戻るのは大変なことだとも。
怪我からの復帰後は、複数の世界大会で優勝を飾り、2019年に東京で行われた世界選手権では3位の成績を収めました。
マイリンダは、2020年の東京五輪に出場して阿部詩選手と戦いたいと言っています。実現してほしい!
マイリンダは、メダルやタイトルを数えたことがない
ところで、もし皆さんがオリンピックで金メダルをとったら、どうしますか?私なら、みんなに見せびらかして自慢して「すごーーい」とか言われていい気持ちになって、「私は金メダルをとったのだ。」と常に考えちゃうと思います。仮に世界大会レベルで複数のメダルをとったら、絶対に毎日メダルの数を数えてニヤニヤしますね。
しかし、マイリンダは違うのです。メダルやタイトルを数えたことないんですって!「重要なのは未来なので、過去ではなく未来に集中している」からだそうですよ。
本当はスカートをはいて、おしゃれなネイルもしてみたい!
この写真に写っているのは、国内オリンピック委員会連合から「コソボ初メダルおめでとうで賞」をコソボ代表として受賞したマイリンダです。綺麗な色のドレスですね。
かっこいいイメージが強いマイリンダですが、実はフェミニンな恰好も好きだそうですよ。スカートをはいたり、爪を伸ばしたりしたいんだそうです。かわいい…
柔道で手がゴツゴツになっちゃったから、爪を伸ばしても似合わなくなってしまった。でも、私は私の手を誇りに思ってる。この手で私は勝ってきたから。
出典:SEVENBIZZ | Jeta e Majlindës jashtë Xhudos (https://www.youtube.com/watch?v=oPAU4P-mM80)
引退後の夢は大統領!?
かっこいいだけじゃない、とっても魅力的なマイリンダですが、将来は「自立した強い女性になりたい」と語っています。国際柔道連盟によるインタビューでは、柔道を引退したあとは、コソボのスポーツ相や大統領になりたいと発言しているんですよ!
これからも、マイリンダの活躍が楽しみですね!