コソボの人は4種類の「ラ行」と5種類の「ジ」を発音できる!?

  • 2019年12月12日
  • 2020年1月28日
  • 言語

違う言語は聞き取りも発音も難しいもので、「日本人はLとRの区別が苦手」とかよく言われますよね。

しかし、コソボの公用語であるアルバニア語は、アルファベットが独特で、LとRどころではない紛らわしい発音がいっぱいあるんです。

ということで、アルバニア語のユニークなアルファベットを紹介します!

スポンサーリンク

2文字で1文字というやつが9文字ある

普通アルファベットって1文字が1文字じゃないですか。何言ってんだって思ったでしょうが、アルバニア語ではそうじゃないものもあるんですよ。

まずは下のアルファベットの表をご覧ください。

ABCÇDDhEËF
GGjHIJKLLlM
NNjOPQRRrSSh
TThUVXXhYZZh

ちょっと何かが違うと思いませんか?そう、この中に2文字のくせに1文字として収まってるやつが9文字もいますね。

この不思議さは縦書きにしたらすごく際立ちます。以前コソボで東芝の何かを売ってるお店があって、看板に縦書きで「TOSHIBA」と書いてあったんですが、下の絵のようになってました。

東芝の看板
shが1文字扱い。いや確かに1文字に違いないのだが。

すごく違和感を覚えましたが、これがアルバニア語では普通なんですね。

ラ行の発音は4種類!

Embed from Getty Images

さて、アルバニア語のアルファベットにも「L」と「R」はありますが、英語と違って「R」は巻き舌になります。

と、違いがこれだけならいいんですが、なんとその他に「LL」と「RR」というアルファベットがあるんですね。そして全部発音が違うのです。ほんと微妙な違いすぎて、聞き分けも難しいです。

私は以前は「L」の発音ができなくて、言葉が通じなかったことがあります。ずいぶん前ですが、現夫に「え、何?」みたいな反応されて、しょうがなく綴りを書いたら、君がLLって発音するから分からなかったみたいなことを言われました。

おほしちゃん
いやいや、それはあんまりだろ。ほぼ同じなんだから分かれよ!ちょっとは想像力働かせてみろよ!…と筆者は思ったらしい
その後、何が違うのか分からず、悔しいので発音の練習をしようとして、口の中がどういう状態なら「L」の発音になるのか説明してくれとしつこく迫ったところ、すごいめんどくさそうに、「日本人には多分できないから無理することないよ。できない発音もあるものだよ」みたいなこと言われました。
くっそーー!て思って「同じ人間なんだから日本人にはできないとかは違うと思う。でももう頼まない!」と言い、意地で習得してやりました。

「じ」という発音だけで5種類の書き方がある

Embed from Getty Images

ラ行より難易度高いのが、「ズ」とか「ジュ」の発音です。

「X」と「Z」は、「づ」と「ず」に近い違いがあります。現代の日本語では、「づ」の発音が「ず」と同化するようになったと言われていますよね。なのでもしかしたら昔の日本人の方が簡単に区別できたかもしれません。
はかせ
「X」はよく聞くと、本当に「つ」にテンテンって感じの発音だよ
「Gj」「Xh」「Zh」はカタカナで書いちゃうと全て「ジュ」です。パッと聞いてもいやいや全部同じやろと思ってしまいますが、発音記号は全部違うんですよね。まあただ、今では「Gj」と「Zh」の発音は違いがなくなってきているらしいです。
はかせ
「Gj」と「Zh」は発音の違いが分からないってことで、現地の人も辞書とは違う綴りで書くことがよくあるよ
おほしちゃん
日本でも「ず」と「づ」どっちだっけ…てことあるもんね
そんなこんなで、仮に「ジ」という音を書くとすると、「Gji」「Xi」「Xhi」「Zi」「Zhi」と5種類書けちゃうことになります。
気抜くと間違った発音になっちゃうので、発音しわけるのに神経使ってすごいゆっくり発話しないとうまくできません。しかも実際うまく言えてるか自信持てないです。

聞き分けはもっと難しい!

Embed from Getty Images

アルバニア語に限らず、未知の言語の未知の発音って、けっこう口の中が思いもよらぬ感じになっているようです。

試行錯誤して舌の位置を変えたり空気の抜け道を考えたりしながら練習すると、うまくいくこともあります。

が、耳はどうしても鈍くて、聞き分けの方が難しいなあと思います。

マニアックな話になっちゃいましたが、コソボの言葉おもしろいな〜と思ってもらえたら嬉しいです!